デザイン

デジタルプロダクトに人格は存在するか?あるいは「人格のようなもの」の所在について。

プロダクトにおける「人格のようなもの」を形成し、チーム内ですり合わせることによって、デザインのルック&フィールの拠り所を策定することができます。
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Koji Sawada
2019-1-30

本エントリーは、皆さんがUI表現における、ルック&フィールを組み立てていく際に、意識的/無意識的に行われている作業をごくごく素朴に言語化してみようと思っているのですが、それに反してタイトルは少し背伸びをした印象になっています。それはこのエントリーにちょっとした人格を与えようとしたからです。

デジタルプロダクトに「人格」は存在するか?

突然ですが、デジタルプロダクトに「人格」は存在するのでしょうか?

このことを考察するにあたり、そもそも人格とはそのヒト(モノ)に埋め込まれており、所与のものであるという視点から脱却する必要がありますが、それは長くなるのでまた別の機会にしたいと思います。

なんか小難しいでしょうか?

実はこれも、このエントリーに人格を与える試みなのですが、その小難しいイントロダクションのせいで、多くのユーザーの離脱が発生しているかもしれません。となると、このエントリーの人格は、読者に抱いてもらいたい/訴求したい人格としてフィットしていない可能性があります。

前置きが長くなりましたが、私はデジタルプロダクトには「人格のようなもの」が存在しており、その「人格のようなもの」と、UIを表現していくルック&フィールは密接なつながりがあると考えます。

デジタルプロダクトに抱く印象=「人格のようなもの」

皆さんは、日々プロダクトを使っている中で、そのプロダクトに対して「かわいい」「賢い」「かっこいい」「堅い」等といったような印象を持つことはないでしょうか?

ざっくり言うと、ユーザーの心の中に描かれる印象こそが、これまで繰り返し出てきている「人格のようなもの」です。これを、キャラクターと言い換えてもいいかもしれません。

例えば、同じメッセージも違う人が伝えれば受け取られ方が違うように、いくつかのプロダクトが同じメッセージを発していても、その「人格のようなもの」によってユーザの捉え方は異なってきます。

では、「人格のようなもの」はどのように形成されるのを説明していきたいと思います。

同じディレクションでも、どちらのデザインディレクターのほうが信頼できそうですか?

「人格のようなもの」を「形成するもの」

この「人格のようなもの」は様々な要素で形成されます。

色・色数・色面積/余白のとり方/書体/書体サイズ/要素の形状/文体(ライティング)/図版・イラスト/アイコン/インタラクション/etc...

これらの要素が「人格のようなもの」にどう影響するかは、皆さんが使っているプロダクトに対して、なぜそのような印象を持つのかを逆説的に捉えると考えやすいでしょう。

例えば、下記のように変換してみて下さい。

  • 賑やか=色数が多い
  • 大らか=余白が広い
  • 声が大きい=文字サイズ/ウェイトが大きい

このようにユーザーに抱いてもらいたい/訴求したい印象を様々な要素に紐づけていきながら、そのプロダクトの「人格のようなもの」をルック&フィールへと変換していきます。

共通認識を合わせながら、定義する

ここで最も注意すべきことは、印象は人によって異なる場合があるということです。私の「かっこいい」はあなたの「かっこいい」ではないのです。そのため、より深掘り、別角度から検証し、顧客、プロダクトオーナー、チームでの認識を精緻に合わせていきます。

  • ここで言う「賑やか」とは他にどんな言い換えができるだろうか?
  • ここで言う「賑やか」を別のもので例えるとどういうもので例えられるか?
  • ここで言う「賑やか」を反映できているデザインはどういうものがあるか?

そうすることで、ユーザーに抱いてもらいたい/訴求したい印象を定義していきます。この作業は、デザインワークの中で大半を占める作業といっても過言ではありません。

皆さんは、デザインを提案し、「うーん、なんか違う」的なフィードバックを得た経験はあるでしょうか?このフィードバックが出てくる要因は次の2点である場合が多いです。

  • そもそもバランス感などの基本的なデザインのセオリーが提案したデザインに欠如しているが、相手は専門家ではないため具体的な指摘に辿り着いていない
  • 印象の認識合わせが充分にされていない為、顧客のイメージ/期待している印象と異なっている

※注意:ここで、「うーん、なんか違う」的なフィードバック自体に責任を押し付けると、あなたの成長機会を奪うことになってしまいます!

ちょっと、想像してみてください。

あなたがお気に入りのブランドショップでこの春に着たいコートを購入しようとしています。その際に店員さんからオススメされたコートを試着してみたけどなんか印象が違う。。

これは、ある晴れた春の昼下がりに颯爽と街を歩く理想の自分の姿が、店員さんと充分に認識が合っていないのです!

店員さんには、恥ずかしがらずにイメージをしっかり伝えましょう!

ルック&フィールの拠り所と、一貫した体験の提供

このように、ブランドに起因するUI表現が持つべき人格と、その方向性を定め、プロダクトを形成する要素として定義していくことで形作られた「人格のようなもの」は、後付けで何とでも解釈できるようなコンセプトチックなワードよりも明確なルック&フィールの方針となります。

また、それが明確かつ、チームで共有できていればいるほど、その後の運用はし易く、アリバイ的なガイドラインよりも有用な拠り所になるはずです!

つまり、一貫した体験の提供にも繋がる考え方となるということですね!

という訳で、このエントリーでは、プロダクトの持つ「人格のようなもの」とその形成に関して紹介してきました!だいぶ長くなってしまったので、より詳細な形成プロセスに関してはまたどこかで。。

ちなみに、オハコではこういったプロセスのインストールも行なっておりますので、お気軽にご相談下さい!

※あれ、このエントリーの「人格のようなもの」が途中から変わってしまったようです。

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Koji Sawada
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