ケーススタディ

コンセプトを徹底して見つめた、直感的な広告運用ツール「Shirofune」- 前編

創業当時から3人が少数精鋭で築いてきたShirofune。デザインパートナーと作り上げたリニューアルプロダクトの開発の様子をインタビューしました。
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Misaki Akimoto
2018-11-21

業界初のクラウド広告運用ツールShirofune。前身ADFUNEは広告代理店の方に向けたサービスでしたが、使いやすさをさらに追求して機能追加を行うとともに一般広告主の方も利用できるよう改良され、2018年3月に新バージョンShirofuneがリリースされました。

オハコは、ShirofuneさんのリニューアルプロジェクトにおいてデザインパートナーとしてサービスコンセプトのブラッシュアップやUI/UX設計などを行ってまいりました。

今回は、代表の菊池さんと創業メンバーである竹下さん、前田さんをお招きし、プロジェクトの振り返りやご感想について伺った様子を2回に分けてご紹介いたします。

Shirofuneという組織とプロダクトについて

オハコ秋元: まず、はじめに皆様のバックグラウンドやShirofuneでのご担当についてお聞かせください。

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左:竹下さん 中央:菊池さん 右:前田さん


菊池さん: 私が代表取締役ということになっていますが、Shirofuneでは階層や役割という概念はなく、「全員が開発のできるエンジニアであり企画者」というスタンスです。もともと代理店でネット広告の運用を行っていましたので、その時の経験や想いをもとにShirofuneを立ち上げました。

竹下さん: そうですね、私も菊池と同様に広告運用の経験を積んできました。Shirofuneでは互いに補完し合いながら自動最適化のアルゴリズムを設計したり、開発を行ったりしています。誰かの指示を受けながら仕事をする、っていう感じはありませんね。

前田さん: 上記に加えて私はネット広告の運用システムを作っていた経験があるのでインフラまわりの運用や設計も現在行っています。たくさんの議論を重ねながらチームで毎日つくっていますね。

オハコ秋元: ありがとうございます。 今回行われたプロダクトリニューアルはどのような経緯があったのでしょうか。

菊池さん: 今回の「ADFUNE」から「Shirofune」へのリニューアルの背景には、もともと広告代理店の方向けに提供していたサービスをさらに使いやすくして、より多くの方々が広告出稿を簡単に行えるようにしたい、という想いがありましたね。

根底の思想は、『我々のプラットフォームを通じて広告を出稿すると、広告運用に知見がない方でも高い費用対効果を得ることができる』というものです。

前身の「ADFUNE」で提供していた自動入札やレポート機能に加え、新規の広告出稿・編集管理・改善施策の提示・実行機能を追加したほか、UI/UXを大幅に改善し、運用型広告における全ての運用業務をオペレーションレスで実現できる形になりました。

オハコ秋元: 今回そのリニューアルにオハコがデザインパートナーとしてジョインさせていただくことになったというわけですね。

菊池さん: はい。私たちが当時、最優先にしていたことは「プロダクトの質」を一緒に高めてもらえるパートナーを見つけることでした。 自分たちがこれは絶対に良いと思うサービスだったとしても、実際にユーザーがサービスを体験して理解できなければ価値はないと思います。 そのような意味で我々のプロダクトではインターフェイスが特に重要だ、という認識がありました。そこで今回デザインの部分で一緒に力になってくれるパートナーを探していましたね。

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オハコ秋元: そういう背景があったのですね。 デザインパートナーを探していたということですが、デザイナーの方を採用してインハウスで開発を行う選択肢はなかったのでしょうか。

菊池さん: Shirofune自体、今も全然まだまだですが、当時は更に会社としてもプロダクトとしても何もない状態でしたので、インハウスで協力をしてくれるデザイナーの方へ提供できるメリットがあるのか、という疑問を持っていました。 それに加えて、「クオリティ」を担保したかったので、今までこのような案件に何度も携わってきた「プロ」をパートナーに迎えた方が不確実性が低くなるという考えもありましたね。

オハコ秋元: 多くのデザインパートナーの候補の中から今回「オハコ」と一緒にやりたい!と思っていただけた最終的な決め手は何だったのでしょうか。

菊池さん: やはり、オハコさんが弊社のサービスについて真剣に考えてくれて、やりたい!という前のめりな気持ちを示してくれたのが大きかったと思います。

当時のShirofuneのようなスタートアップフェーズでは、プロダクトが本当にリリースされるのかどうかもわからなかったりもするので、デザインパートナーさんとしても大企業さんなどとの案件の方が確実で良いのだろうな、と感じていました。 なので、僕たちもパートナーさんにお願いする立場だという認識でした。 オハコさんとはその辺りを対等にフラットに進められそうだ、と感じられたのがよかったのだと思います。

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オハコ菊地: 前提としてプロダクトの根底に本気さがなければ、どんなに良いデザインにしてもサービスは継続できません。Shirofuneさんにデザインの力を吹き込むだけでかなりいいものになるぞ、という確信は当時から持っていました。

デザインパートナーへオーナーシップを委ねるという開発方針

オハコ秋元: プロジェクト自体はどのように進めていったのですか。

オハコ菊地: まずは、Shirofuneのお三方がお持ちのサービスビジョンを理解するところからはじめ、既存のADFUNEのツールがどのような状態なのか現状を把握しました。 そして、今回のリニューアルではShirofuneというサービスがどのようになるとペルソナにとって良いのか、を徹底的にお三方と目線を合わせるようにしていきました。 このような話し合いをもとにしてデザインに落としていく、というプロセスですね。

まずは、ペルソナの気持ちを理解する。 ああ、このペルソナだとまずこの画面でつまづくな、その時はこんな気持ちになるだろうな、といった感じで全ての顧客体験について洗い出して考えていきました。

カスタマージャーニーマップの一部

オハコ秋元: ご依頼されてから画面のデザインが確認できるまでにオハコメンバーとのコミュニケーションやワークショップなどに多くの時間を費やしていただいたかと思います。 そのような一連のプロセスに対して、なぜこのプロセスが必要なのだろうか、などといった疑問や不安を感じることはありませんでしたか。

菊池さん: ええと、それは正直ありましたね。 このことについては答えが出ているからもういいのになあ、とか、このやり方だとちょっと後から変更があるかもしれないな、など細かいことはありました。 本当に必要だと感じた際は指摘することもありましたが、私たちはある程度オハコさんのやり方にお任せしようというスタンスで進めていきましたね。

これは階層や役割がないのにも通じる私たちの大切にしているマインドなのかもしれないですが、何かを行う際には、実行者がある程度オーナーシップを持って進めないとその人の力を最大限に発揮できないと思っています。 ですのでオーナー(Shirofune)と実行者(オハコ )という関係性ではなく、僕たちがむしろフォロワーというスタンスでいました。

このパートナーと共に作っていこう、と決めた時点でコミットしてくれている、と私たちは信じている。 なので、オハコさんにオーナーシップを持ってもらうようにしました。他人の発言や指示が多くなると自分のアウトプットではなくなりますからね。

オハコ菊地: おそらく、プロジェクト中、色々と気になるところなどもあっただろうとはお察しします。私たちとしてもShirofuneさんとのプロジェクトはスムーズに進められましたし、楽しかったです。色々任せてもらえる分、頑張って良いものを作りたいな、という気持ちがありましたね。

竹下さん: コンセプトやペルソナなど一緒に作りましたが、それらの内容を噛み砕いてどのように各画面へしていくのかがやっぱり気になりますね。

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オハコ菊地: UIに落としていく上では大きく2つの障壁がありました。 1つは、インターネット広告の出稿すらしたことがなかったことです。なので、実際に広告を出稿してみたのですが、初見で出稿まで行き着くまでに何度も骨が折れそうになりました。 2つ目は、実際の出稿体験をもとに理想の出稿フローを決めていくときの整合性の取り方です。最終的にGoogleやYahoo!のプラットフォームに対して出稿するのでそこも考慮する必要がある反面、コンセプトにあった”手軽さ”を生み出さないといけない。いくつものフローをストラクチャとして形に起こしてみて、ある程度の目星をつけ、ワイヤーフレームレベルのプロトタイピングでフローを精緻にしていきました。

今現状、Shirofuneさんが部分的なUIの改善をされているという話は伺っていましたので、そういったことも踏まえると、この一連のプロセスについては、もう少し密に連携していくようなやり方があったかもしれません。 現在オハコとしてやっていきたいのは、お客様が自走していってもらえる仕組み作りです。今後は、そのような取り組みにも注力していきたいと思っています。

【後編はこちらから】

インタビュー
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Misaki Akimoto
プロダクトマネージャー/ Product Huntをチェックするのが日課です^^