デザイン

プロダクト開発時に理解しておきたい、マーケティングリサーチとデザインリサーチの違い

近年よく耳にするデザインリサーチ。マーケティングリサーチとの違いを明らかにした上で、プロダクト開発でどのように活かせるのかについて触れていきます。
読了目安:4分
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Misaki Akimoto
2019-1-17

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プロダクト開発チーム内でよく耳にするこの問い。

「プロダクトは誰のためのものか」 「どのようなバリューをユーザーに届けるのか」

問いに対しての答えが非常にクリアなときもあれば、状況によっては最適解が見つからないこともあるかと思います。そんなときはリサーチに立ち返り、生活者の声や行動を観察することでヒントが見つかるかもしれません。

そこで、今回はリサーチのアプローチの中でもよく比較されるマーケティングリサーチとデザインリサーチについて明らかにし、それぞれのリサーチが役立つ利用シーンにまで触れていきたいと思います。

仮説に対して検証を行う、マーケティングリサーチ

すでにサービスのターゲットやソリューションがチームの中で明確な場合、考えたアイデアが仮説ではなく、事実に基づいているのか検証を行う必要があります。 このような仮説に対して検証を行う調査は、マーケティングリサーチと呼ばれることが多く、マーケティングの世界では検証型リサーチとも呼ばれます。マーケティングリサーチはサービス開発だけでなく、広告などのA/Bテストなどでも利用されます。

生活者を観察しサービス創出の機会を見つける、デザインリサーチ

一方で、サービス立ち上げの段階でターゲットや解決方法について仮説を立てたりすることはせず、生活者の観察を行いながら新しいサービス機会の創出をはかるデザインリサーチという手法もあります。 これは、ゼロベースでサービスをデザインしていく過程でよく利用される手法です。 エスノグラフィ調査に代表されるような生活者の視点を探るもので、探索型リサーチなどと呼ばれることもあります。

エスノグラフィ調査自体は、もともと文化人類学や社会学などの学術界で培われてきたものでした。近年、市場変化の加速などにともない、イノベーションの機会を発見するための方法としてプロダクト開発でも活用されるようになってきました。エスノグラフィ調査では、対話などを通して話を聞くのに加え、人の行動や仕草、周囲の環境の観察を通じて「対象を理解」します。つまり、対象となる人々の生活に入り込むことです。気づきが多く、とても効果的ですが、その分だけ時間とコストを考えて行う必要があります。

マーケティングリサーチとデザインリサーチの比較

それぞれのリサーチについて説明を述べてきましたが、マーケティングリサーチとデザインリサーチの特徴を簡単に比較してみたものが以下の表です。

- マーケティングリサーチ デザインリサーチ
リサーチ目的 仮説の検証を行う 新たな視点で気づきを得る
リサーチ方法 定量データの分析
アンケート調査
エスノグラフィ調査などの行動観察
利用シーン ターゲットが明確なサービスを思いついたとき
既存事業に関連する新規サービスの立ちあげ
新たな市場を切り開いていきたいとき
イノベーションを起こしたいとき

それぞれのチームが新規サービスやプロダクト開発を行う際には、プロジェクトの課題や明らかにしたいことが異なるため、リサーチの方法が変わってきます。

例えば、既存サービスの課題を補うような新プロダクトを検討している場合、既存サービスの情報が社内に蓄積されているため、仮説を立てることができます。 このような時は、自分たちが立てた仮説を検証していくマーケティングリサーチを行なっていくほうがよりスムーズにプロジェクトを進められるかもしれません。

一方で、市場を創出し、イノベーションを生み出すことを期待する場合は、新たな視点や気づきが得られるデザインリサーチを行う必要があるでしょう。既存のデータや情報からは思いつかないようなサービスアイデアが生まれる可能性が高くなります。

マーケティングリサーチで仮説に対しての検証を進めてみると、立てた仮説が正しくなかったという場合もあります。そんな時は、一度生活者を観察し、デザインリサーチを行うことによって新たな発見があるかもしれません。

結論

今回は、サービスを設計する上で必要とされるマーケティングリサーチとデザインリサーチについて述べてきました。

すでにプロダクトやサービスの詳しい構想があるときというのは、自身の仕事や生活を通して自然とデザインリサーチに近しいプロセスをたどっているのではないでしょうか。

従来は、自社の課題や自身の体験などが起点となり、直感的にアイディアが盛り込まれることも多かったサービス開発の現場。近年注目されている、エスノグラフィ調査などで生活者を観察してみることは、市場を新たに作るような大きなビジネスチャンスに繋がる可能性もあるはずです。

今後、デザインリサーチやエスノグラフィ調査についても詳しく述べていきたいです。

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Misaki Akimoto
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