プロダクトマネジメント

開発コストを大幅に削減、ムダなく立ち上げる「デザインスプリント」という考え方

デザインスプリントの概要と各チームの特徴に合わせてカスタマイズしたデザインスプリント2.0という考え方をご紹介します。
読了目安:5分
avator
Misaki Akimoto
2018-12-27

プロダクトを「ムダなく」立ち上げること。 コストや時間、プロセスなどを可能な限り省き、ユーザーにフィットしたプロダクトを立ち上げる。言い換えれば、小さな失敗を繰り返し、望ましい方向へ軌道修正させることは、チームにとっての永遠のテーマかと思われます。

サービスを素早く立ち上げるためのフレームワークは数多く存在しますが、今回は、GVが考案したフレームワークである「デザインスプリント」についてご紹介します。

デザインスプリントとは

デザインスプリントは、プロダクトデザイン・開発のためのフレームワークです。 元々は、スタートアップの開発チーム向けに設計されましたが、現在では会社規模に関わらず、幅広いチームで取り入れられています。 ユーザーや潜在顧客層の意見をもとに限られた期間内でプロダクトのデザインを繰り返し、ブラッシュアップしていきたい場合に活用できます。

プロダクト開発のプロセス

従来のプロダクト開発のプロセスと大きく異なるのは、リスクを最小限にして大きな失敗を未然に防ぐ点です。コスト、期間を費やす実装フェーズへと進む前にチームでブラッシュアップしたアイデアの改善を繰り返し行い、簡単なプロトタイプを作って形にしていきます。

デザインスプリント のプロセス

デザインスプリントは基本的に「理解」「発散」「選択(決定)」「プロトタイプ」「テスト」という5つのテーマやフェーズを1日ずつかけて行うのがオリジナルです。それぞれのテーマに沿って、チームのアイデアをブラッシュアップできる様なワークを行なっていきます。それぞれのテーマは以下の通りです。

  • day 0

  • 準備*:デザインスプリントの準備を行う

    • day 1
  • 理解*:背景やユーザーインサイトを知る

    • day 2
  • 発散*:何が可能なのか、ブレインストーミングをする

  • day 3 選択(決定):チームで出た解決策を評価し合い、最適なものを1つ選択する

  • day 4

  • プロトタイプ*:最少限の機能で実行可能なコンセプトモックを作る

    • day 5
    • テスト*:ユーザーにとって何が効果的なのかを観察する

デザインスプリントのプロセス

このようにプロダクトづくりの一連の流れを簡潔に5日間で行うことにより、開発コストの削減やユーザーの反応を確認できる検証フェーズに最短でたどり着くことができます。決められた期限内で目的を見失わずに各プロセスを進められるかどうかは、ファシリテーターの腕の見せ所です。 ファシリテーターを担当される方は、デザインスプリント を考案した「Jake Knapp」直伝のデザインスプリントのヒント集も合わせて参考にしてみてください。

デザインスプリントが支持される理由

スピード感と集中力を高められる

期限を設けることで適度なプレッシャーや刺激が与えられ、脳が活性化し、解決方法が生まれやすい環境を作ることができます。また、開発やリリースのプロセスを省き、アイデアの検証にフォーカスをするため、少ないコストと期間で始めるとことが可能です。

多様なメンバーのアイデアに意思の統一が図れる

デザインスプリントは、共同作業を重視したプロセスであり、それぞれ参加者の意見を聞きながら、自身も発言ができる空間を作ります。チームメンバー個々のバックグラウンドに基づくアイデアや意見の交換を経て、みんなで1つの最適解を導きます。意思決定のプロセスに参加者全員が関わるため納得感持って進めることができ、チーム内の意思統一をはかることができます。

チームビルディングの一環となる

スタートアップのチームや小さな組織の場合は、プロダクトマネージャー、デザイナー、エンジニアというメンバー構成で開発を進めていることが多いかと思います。 チームが形成された初期の段階では、チーム内に共通言語や話題がないことも多く、一緒に物事を進めていくまでの関係性を築いていくのに少々時間がかかることもあるかもしれません。 デザインスプリントを行うと、1つの目的に向かって共同作業を行い、意見をかわすためお互いのことをよく知るきっかけにもなります。

5日間でのスプリントが困難な場合は

デザインスプリントは、素早く立ち上げるという魅力がある一方で、多くの人が感じる懸念点もあります。それは、スプリントを行う上での5日間の人員と時間の確保です。チームやステークホルダーのスケジュールを丸1週間確保する、というのは日本の企業ではなかなか難しいかもしれません。

そのため、最近ではデザインスプリント 2.0(Design Sprint 2.0)という、それぞれの国の働き方や組織の特徴を考慮してスプリントの時間や期間をローカライズした進め方も生まれてきました。

The Design Sprint 2.0: What is it and what does it look like?より引用 (イラストの文字【MTWT】は、月曜日から木曜日までを指しています)

例えば、1日のワークショップ時間を長めに確保して通常5日間かかるところを4日間でおさえたり、反対に1日数時間単位で作業を小分けにし、何週間かに区切って行うなどで実施するチームもあります。

すでにアジャイルやスクラム開発が浸透しているチームであれば、スクラムのスプリント周期に合わせた期間でデザインスプリントを行うのもおすすめです。

チームや組織の特性に合わせ、自分たちに最適なデザインスプリントをカスタマイズしてver.2.0を探してみてください。

さいごに

デザインプロセスやフレームワークはそれ自体が目的ではなく、サービスの課題を特定して素早く立ち上げるための手段です。自分たちがなぜ、そして何を求めてこの部屋に集まっているのか、このプロダクトとどのように関わっていくべきなのか、といった本質的な問いを常に持ち続けていきたいです。

チームメンバー個々人がこのような問いを見失わずにワークを進めていけるとプロダクトにとって意義のある時間になるはずです。

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Misaki Akimoto
プロダクトマネージャー/ Product Huntをチェックするのが日課です^^